三麻について

 三麻と四麻の違い

※「麻雀小僧」186、187話のネタバレを含みます。

「麻雀小僧」186,187話はこちら。

 

三麻と言っても、色んなルールがある。

そもそも三麻は、四人で麻雀をやるときに一人足りなくて始まったものだと考えられる。

だから、色々なルールがある。

三麻の競技麻雀団体などというものも聞いたことがないので

統一ルールなるものもない。

三麻を大きく分けると、半荘三麻と一局三麻に別れるが、

細かいルールは色々ある。

 

今、「麻雀小僧」で三麻を描いている。

三麻は大きくわけると半荘三麻と一局三麻があるが、

ここでは「麻雀小僧」で描いている半荘三麻について書こうと思う。

 

「麻雀小僧」での三麻のルールは以下のとおりである。

・萬子の二~八を抜く。

は抜きドラ。

・チーなしポンあり。

・ツモり損ルール。

そのほかは半荘の四人麻雀と同じである。

 

「麻雀小僧」での特殊ルールとして、

・35000点持ち。

・飛びの者が出るまでゲームを続ける。

(このほかにもあったらご報告ください。

また、上記でわからないことがありましたら改めて説明します。)

 

特殊ルールは別として、以上が半荘三麻の基本的なルールであると思う。

そのほかに抜きドラを増やしたり、 を使いドラにしたり

積み棒の点数を高くしたり、インフレルールはいくらでもあるが…。

ここでは、三麻と四麻の打ち方は何が違うのか、ということについて考えてみたい。

 

ルールが違えば、そのルールに対応する最適な打ち方も違ってくる。

例えば、ドラが多くなればなるほど役は意味を失う。

アガる権利である一翻さえあれば良いということになる。

役よりもドラを集めた方が高い手になるというわけである。

しかしドラの枚数は平均して同じなので、

打点はあまり変わらなくなる。

よって、アガり点の高さよりもアガり数を重視する打ち方になる。

これがルールに合わせた打ち方ということになる。

三麻は四麻よりもインフレ化したルールになっていることが多い。

が抜きドラというだけでそうである。

ただし、これは三麻の特色とは言いにくい。

四麻でもかなりインフレ化したルールがあるからだ。

では、三麻と四麻の決定的な違いとは何だろうか。

 

まず第一点、萬子の から がないということだ。

を字牌だと考えると、

筒子索子、字牌の数が同数ということになる。

当然のことばかり言うけれど、ホンイツが簡単に出来る。

そして、タンヤオが難しくなる。

インフレ化したルールでは、役はアガる権利としての意味の方が大きいと書いた。

四麻ではこのアガる権利としてタンヤオを多用する。

しかし、三麻で喰う時はタンヤオなど使ってはいけない。

そう、喰うときはホンイツである。

点数の大きさとアガりやすさの関係を考えれば、

三麻では常にホンイツを頭に置かなければならない。

何を当たり前なことを…。という声が聞こえてきそうであるが、

この一点において三麻と四麻では世界観が随分違うのである。

四麻ではタンヤオ志向が強いため初牌でも安全牌であることが多い。

しかし、ホンイツが重視される三麻では字牌に対する注意が大切になる。

三麻は字牌の割合が多いのだ。

だから、字牌を使って手を作る必要がある。

字牌をどのタイミングで切るかということを考えなければならない。

具体的には?と問われると、答えは難しい。

その時の自分の状況や、相手に対する読みの話になるからである。

ただ、三麻においては以上のような理由により

字牌の扱いについて考えることを肝に銘じた方が良い。

「麻雀小僧」187話で三麻初心者の田中に対して五郎がアドバイスするシーン。

曰く、「敵の注文のついた牌だけは切るべからず。

切れば敵を押し上げるだけだと思うべし。」

というのは字牌の扱いについて語っている。

三麻は字牌を使わないとアガれないが、

字牌はそう簡単にツモる牌ではない。

だから、ポンするとか待ち牌になることが多い。

切れば敵を有利にするということである。

もちろん、全く切らないというわけにはいかないのだが、

安易に切ってはならないということだ。

 

第二点。

これも当たり前のことなのだが、三麻ではチーがないということだ。

繰り返しになるかもしれないが、トイトイやホンイツが作りやすく、

タンヤオは作りにくいということなのだ。

どんな麻雀でも打点の高さは重要だが、

同じようにアガりの早さが重要になる。

四麻で早くアガろうとすればタンヤオが重要になる。

しかし、三麻ではそれが使えない。

「麻雀小僧」187話で五郎のもう一つのアドバイスがある。

曰く、「最初のテンパイが一番最初にアガれると心得よ。」

これは浮かせ打ちについて語っている。

作中では、田中の手が

 

となる。

ここから田中は索子の好形を狙って 落としに出る。

五郎のセリフはその時のものだ。

問題は、索子の好形になってアガるのと

ペン 、どちらが早いかということなのだ。

例えば四麻で

となったら 切りが普通だろう。

一向聴を二向聴に戻すことになるが、

こちらの方がアガりに対して早いように思う。

それは、タンヤオが使えるからだ。

場が煮詰まっても を落としておけば

タンヤオでどこでも喰える形になるからだ。

結果として、ペンチャン落としをした方がアガりに対して早いのだ。

この手は萬子があるが、三麻でこのような形になったら を打つ。

三麻は牌の枚数が少なく三人でツモっているので

こういうペン は四麻よりツモりやすい。

しかも喰うことが出来ないので、向聴を下げることは

即ち手を遅くすることになるのである。

だから早くアガりたいのならば、ペンチャンは落とさないのが基本になる。

 

三麻と四麻の違いは他にもあるだろうが、

大きく言えばこの二点だと思う。

 

また、この二点から言える打ち方の違いもあるだろうが

基本的なことを二つ書いてみた。

どんな麻雀でも、麻雀なんだからどれも同じであり

違う部分についてはやはり打ち方が違うのだ。

実はこれは同じルールの中でも言えることである。

面子が違えば、打ち方も違ってくる。

場況が違っても、打ち方が違ってくる。

これらの条件を踏まえた上で

今相手がどんな手で何をやろうとしているのかを考えることが重要なのだ。

 

「麻雀小僧」186,187話はこちら。

 

投稿日:

押川雲太朗HP

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押川雲太朗

1965年生まれ。漫画家。麻雀漫画を多数執筆しています。現在は「麻雀小僧」と「Let’s Go なまけもの」を執筆中。


押川雲太朗先生の下でアシスタントをしている謎と申します。
天鳳やってます」を担当しています。
毎回やらかしてしまうヘボヘボなブログですが、良かったら見てください。
目標は四段R1800で特上卓に行くことです。